自作卓球防球フェンスの製作
2022/7/31
いつも練習でお世話になっている卓球場のオーナーから、TSPの卓球防球フェンスの足がグラグラするので何とかできないか?と相談を受けました。ちなみに TSPは2020年10月、VICTASに統合されました。
足がグラグラすることで枠の丸パイプが上にあがり、隙間からボールが抜けてしまうそうです。そのためカバーの下は、ダブルクリップで止めています。この卓球防球フェンスは約20年くらい使用しており、だいぶガタがきているようでした。
写真ではわかりづらいですが、四角の足の部分をよく見ると足の部分と、枠の丸パイプ部分の間に波ワッシャーが入っています。また、ネジを何度か強く締めているうちにネジが摩耗したので、新しいネジが取り付けられていました。
波ワッシャーを入れたのはおそらく、ばね作用をもたせ足の部分を回転させることで、防球フェンス運搬車に積み上げることが目的と思います。
一番簡単なのは足の部分と、枠の丸パイプを接着剤等で固定するか、それともドリルで穴をあけてネジを追加することかな?と考えていました。
そういえば卓球マシンを自作したとき、塩ビパイプで捕球ネットの製作をしたことを思い出し、早速、オーナーに塩ビパイプというものがあるので、それで試作を作ってみましょうかと言い、取りかかることにしました。
試作品の製作
VICTASのホームページから、「VICTAS防球フェンスライト本体(1.4m)」のサイズは、高さ 750mm、幅 1400mmと確認できました。また、フェンス角の半径は実測で 100mmでした。
これらを基にして、試作の図面を書いてみました(PDFボタンをクリックすると、新しいタブで開きます)。
ホームセンターで VP13塩ビパイプを購入し、図面通りに塩ビパイプを切断していきます。私は100円ショップのパイプカッターで切断しました。
塩ビパイプの切断面はバリが出ているので、パイプリーマーで塩ビパイプの外側と内側のバリを削っていきます。
塩ビパイプの先端は、こんな感じになります。パイプリーマーをしなくてもいいのですが、TSチーズに入れる時にバリが邪魔をして、すんなりと入ってくれません。
塩ビパイプの曲げ部分ですが、これはヒートガンの熱風で曲げていきます。曲げる半径は 100mmですので手持ちに余っていた MDF材と角棒で治具を作りました。横の長さは281mm、曲げるめやすとして半径 100mmを鉛筆で書いておきます。
治具は作業机に固定しておき、治具の角に塩ビパイプを当てます。
この状態から、塩ビパイプをクルクルと回しながら、ヒートガンで均一に温めていきます。
塩ビパイプが焦げないように熱風を当てる距離、温度調整をしながら温めていくと柔らかくなっていきます。
柔らかくなってきたら、一挙に治具にはめ込みます。塩ビパイプは熱くなっているので、水を絞ったタオル等で冷やしていきます。
きれいに曲がりました。これを 2本製作します。
TSチーズの中に挿入する長さは 18mmとし、マジック等で目印をつけて、エスロン接着剤で接着していきます。
TSチーズの向きに注意して組立てていきます。こんな感じになりました。
カバーを被せます。ぴったり入りました。
これを卓球場へ持ち込み、様子を見てもらうことにしました。上手くいくかな?
評価
オーナーに確認してもらったら、卓球防球フェンスを持ち上げて移動する際、カバーが少し上に上がって TSチーズの段差に引っかかって下に下がらず、その隙間からボールが出ていくそうです。
自宅に持ち帰って確認したところ、確かにカバーが上にあがって、TSチーズの段差に引っかかり、その隙間からボールが出ることがわかりました。
う~ん、この角の部分はカバーを避ける構造がよいようで、もう一度、考え直します。
完成品の製作
角の部分は TSチーズから TSエルボに変更し、角の部分にカバーが引っかからないように変更しました(PDFボタンをクリックすると、新しいタブで開きます)。
1台分の材料です。
TSチーズ、TSエルボの向きに注意して、組立てていきます。
平衡になるように製作して、TSチーズだけで立てるようにします。
斜めから見たところです。
足の部分です。
オーナーの話では卓球防球フェンスはずっと設置しているので、足の部分は回転しなくてもよいとのことでしたが、やはり片づけるときがあるかも知れないので、この部分は接着しませんでした。
こんな感じになりました。
もし、片づける必要がある場合は足を横に曲げます。
カバーを被せました。この状態で持ち上げるとカバーは少し上に上がりますが、降ろすとカバーも下に下がり、隙間はなくなりました。オーナーに確認してもらったところ問題ないとのことでした。
6台を並べてみました。必要な台数は 17台とのことですが、部屋の置き場所もあり一挙に製作できないので、コツコツと製作しました。
積み重ねるとこのようになります。
質量は 1台当たり約 1.3Kg 、今まで使っていた卓球防球フェンスより軽くなったので、持ち運びが楽になりました。
接着された塩ビパイプの外し方
これは 試作品を作り直したときのもので、接着した塩ビパイプの外し方を紹介します。
糸のこで、塩ビパイプと TSチーズの間を切断します。
こんな感じで切断します。
TSチーズの中に入っている塩ビパイプをヒートガンで温めていきます。
柔らかくなってきたタイミングで、マイナスドライバーを入れて、塩ビパイプを外していきます。
ラジオペンチで引き出して取り外します。
あまり長くヒートガンを当てると、塩ビパイプが焦げてくるので注意しましょう。