ものづくりとは

製品企画,設計開発,試作,出図,部品手配,製造,検査,出荷 2021/7/3

 

 

ものづくりとは、物作り、ものつくり、モノづくりなどと色々な表現がありますが、広辞苑では以下のようになっています。

  1. 耕作をすること。農作。また、農夫。浄瑠璃、五十年忌歌念仏「-のことなればいや大根時(だいこどき)の綿時の」
  2. 小正月の祝いの行事。餅で農具・農作物・繭玉などの形を作って飾る。万物作(よろずものつく)り。御作立(おさくだ)て。
  3. 製品をつくること。また、その技術。

引用:『広辞苑(第7版)』 株式会社岩波書店 2018

 

本サイトでは、製造業におけるものづくりをテーマにしていますので、「製品をつくること。また、その技術」を說明します。

 

趣味の電子工作の場合、失敗しても自分が楽しめることが一番ですが、市場に出して取引するとなれば話は別です。例えば、10,000台の製品を販売した場合、その中に不良品が 1台あったとして、それを買った人はその製品すべてが不良品だと判断します。

 

そうならないように、ものづくりには過去から受け継がれてきた、ノウハウが蓄積されています。

 

まずは、どのような製品を発売すれば市場に受け入れられるか、製品企画を考えます。方針が決まれば設計開発を行い、試作して図面をアウトプットします(出図と言います)。それを元に部品手配し、製造検査、梱包して出荷します。

 

製品企画,設計開発,試作,出図,部品手配,製造,検査,出荷

 

製品企画

製品企画

スマートフォン、携帯電話、パソコンなど毎年、新製品が発売されていますが、どのような年齢層の人が買ってくれるのか、学生さん、社会人、性別で違うのか、機能面として画面がきれい、カメラの性能がよい、バッテリーが長持ちするなどを検討していくのが企画となります。スマートフォンのかんたん操作などは、購買層をシニア世代にしているのがわかります。

 

マーケティング調査、市場調査、アンケート調査などを行って、出来る限りデータで見えるようにして検討します。

 

設計開発

設計開発

設計と開発の意味は違うのですが、大手企業では分かれている部門が多く、中小企業では一緒になっている部門が多いと思います。

 

設計
  1. ある意味を具体化する作業。製作・工事などに当たり、工費・敷地・材料および構造上の諸点などの計画を立て図面その他の方式で明示すること。「ビルの-」
  2. 比喩的に、人生や生活について計画を立てること。
開発
  1. (天然資源を)生活に役立つようにすること。「荒地の-」「電源-」
  2. 実用化すること。「新製品を-する」
  3. 知識を開き導くこと。

引用:『広辞苑(第7版)』 株式会社岩波書店 2018

具体的に、ものづくりができるように仕様書などを作成し、環境に悪いものは使っていないか、電気・電子設計、機械設計などをして図面をアウトプットしていきます。

 

試作

試作

仕様書、試作図面などから試作に必要な部品を手配し製作します。頭の中で考えた動作と実際の動作の違いを検証します。また、デザインレビューと言って第三者の評価を伺うこともあります。これを行うことで思い込みを防いだり、設計開発と試作を繰り返して問題点の洗い出し(見える化)をして解決します。

 

出図

出図

試作の検証が終われば、製造に必要な図面をアウトプットしていきます(出図といいます)。例えば、仕様書、基準書、環境アセスメント、電気・電子回路図、部品表、部品図、組立図、外形図、取扱説明書、QC工程表、プリント基板図などがあります。

 

部品手配

部品手配

部品を手配する部門(購買部門)が行います。既製品を購入するのか、外注業者に部品を作ってもらうのか、1個からでも買えるのか、値段は妥当か、納期はどのくらいかかるのかを検討して発注します。小規模企業者では、設計者みずから行うところが多いです。

 

製造

製造

製造に必要な図面、部品が揃えば、生産に必要な設備、計測器、工具などがあるのかを確認し、手順書に従って組立てていきます。はんだ付けがある工程では、はんだ付けができるスキル(力量)のある人がいるかなど、必要な教育がされているか、スキルは維持されているかを確認します。

 

検査

検査

製品ができあがれば仕様は満足されているか、機能しているかを確認します。例えばテレビの場合、電源スイッチは入るか、放送局は受信できるか、リモコンのチャンネル番号とテレビに映るチャンネル番号があっているか、音量スイッチはちゃんと変化するかなどです。

 

出荷

出荷

検査に合格した製品を発送するため、輸送途中に傷などがつかないように緩衝材を入れて梱包、出荷します。

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